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~第十九話⑤~ 地球総攻撃へのカウントダウン

Penulis: 倉橋
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-18 03:43:12

 うさ子こと、ムーン・ラット・キッス女王はまだ知らない。銀河系の惑星からなる銀河連邦の本部で行われている会議の模様を……

 この会議室にも秘密漏洩を防止するための「ブラインドリバーシステム」が使われており、うさ子も音声をキャッチすることは不可能だった。

「バレリー広報官の意見は分かった。だが地球総攻撃は銀河連邦で正式に決定した議案だ。覆そうとするなら、それなりの手続きが必要だ。ムーン・ラット・キッス女王を銀河連邦本部に呼び寄せたまえ」

「待ってください。彼女は何か大事な用事があるといって、また地球に向かったんです」

「だったらもう一度、地球から離れて貰うんだな」

「待ってください。私の提出した意見書だけでは足りないんですか? ムーン・ラット・キッス女王からの聞き取りも詳しく添付しているのですが……」

「いや、これだけでは到底足りない。すぐ彼女を呼び寄せるんだ。我々も話を聞く必要がある」

 今のままでは、銀河連邦が決定した地球総攻撃を止めることは難しそうだ。だがムーン・ラット・キッスが再び地球を離れた場合、悠馬を助けてくれる人がいなくなる。

 もちろん飛鳥は悠馬を助ける気持ち満々だが、どう考えても、考えなくても、彼女には荷が重そう。

 果たして悠馬の運命は?
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  • ~スーパー・ラバット~ムーン・ラット・キッスはあなたに夢中   ~第二十話⑤~ エブリー・スタインの野望

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  • ~スーパー・ラバット~ムーン・ラット・キッスはあなたに夢中   ~第二十話④~ キラーリ公主も風雲は止められない

    「あのね。最初は、サライや女王がそれほど恋焦がれる悠馬くんがどんな人間なのか、好奇心に過ぎなかった。だけど、あの子の心の優しさを知ったら、アマン、あなただって胸のハートが熱くなるのを抑えられなくなるんだから。心のないイケメンなんか、悠馬くんには敵わない」 このとき、アマンはハッキリと悟った。傲慢で自信家の独裁者より、熱く恋を語るキラーリ公主の方がずっと魅力的で大きな事業を成功させる可能性を秘めているということ。もしキラーリ公主が悠馬と結婚したならば、セレネイ王国を銀河連邦最大の惑星に発展させるに違いない。  だがアマンも自分の熱い思いを放棄するなんて絶対に出来ない。恋のバトルは絶対に譲れない。アマンも決意を固めていた。「それで公主は地球総攻撃を今でも諦めてはいないのですか?」 アマンの意地悪い質問。「それを今、言わせるの?」 キラーリ公主のすねた表情。この表情もまた可愛らしい。「好きな人の悲しむことなんて出来ないじゃない」 とうとうキラーリ公主は本音を漏らした。悠馬への思いから、念願の地球総攻撃を中止するとハッキリ認めたのだ。「しかし公主。エブリー・スタイン公子は地球総攻撃に反対するキッス女王を暗殺し、一気に地球総攻撃を進めるつもりです」 「だからキッス女王の情報は弟に伝えていないでしょう」 「公子は既に悠馬くんの存在に気がついています。悠馬くんを利用してキッス女王をおびき寄せようとするでしょう。今のままでは悠馬くんに生命の危機が訪れることになります」 「そうはさせない。弟に直接、命令を下す。これ以上、余計な行動はするなと!」 キラーリ公主は悠馬のために地球総攻撃の中止を決意。弟のエブリー・スタインに「何もするな」と命令すれば、村雨兄弟を利用して悠馬に危害を加え、ムーン・ラット・キッス女王をおびき寄せて暗殺するという計画もボツになるはずだった。  ところが、事態は思わぬ方向に展開していたのである。

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